ホームページの制作や更新を制作会社に任せている工務店なら、AIは「ページそのもの」ではなく、制作会社に渡す“素材”づくりに使うのが現実的です。現場のメモをもとに、施工事例の文章のたたき台と写真の説明文を整えておくと、依頼の往復が減り、更新が進みやすくなります。この記事では、その具体的な流れを説明します。

お客様のお名前・住所・写真をホームページに載せるときは、必ずお客様の了承を得てください。AIにも、個人が特定できる情報は入力しないでください。

施工事例ページが止まりやすい理由

ご相談を受けている工務店では、ホームページの更新を制作会社に依頼しています。この形だと、「現場の話を文章にする」「制作会社に伝える」「ページになる」 という流れで、どうしても手間と時間がかかります。

結果として、「施工事例を載せたいけれど、後回しになる」ことが起こりがちです。施工事例は、これから家を建てたりリフォームしたりする方が、会社を選ぶときに見る大切なページです。止まったままにしておくのは、もったいないです。

AIにやってもらうのは「素材づくり」まで

AIにホームページそのものを作ってもらうのではなく、制作会社に渡す前の素材を整えてもらいます。

作るもの AIの役目 人が決めること
施工事例の文章のたたき台 現場メモを読みやすい文章に整える 工事の内容、工期、金額などの事実
写真の説明文 写真1枚ごとの説明を提案する どの写真を使うか、載せてよいか
お客様の声の質問リスト 聞くべき質問を提案する 実際にお客様に聞くこと、掲載の許可

具体的な流れ(4ステップ)

図1 AIが作るのは「ページ」ではなく、制作会社に渡す前の「素材」です
図1 AIが作るのは「ページ」ではなく、制作会社に渡す前の「素材」です
  1. 現場メモを書く。 箇条書きで十分です。「築30年の木造2階建て、キッチンの入れ替えと床の張り替え、工期3週間」のように、事実だけを書きます。
  2. AIに文章のたたき台を作ってもらう。 メモを渡して、「施工事例の紹介文にしてください。ご家族の悩み、工夫した点、仕上がりの順で」と頼みます。
  3. 人が事実を確認して直す。 工期や使った材料などの事実を、現場の人が見直します。AIが勝手に付け足した内容がないかも見ます。
  4. 制作会社に渡す。 完成した文章と写真の説明文を、そのまま制作会社に送ります。
AIへの依頼文の例
次のメモをもとに、工務店のホームページに載せる施工事例の紹介文を、800字くらいで書いてください。読む人は、これから家をリフォームしようと考えている方です。難しい言葉は使わず、お客様の悩み・工夫した点・仕上がりの順にしてください。メモにないことは書き足さないでください。

最後の「メモにないことは書き足さないでください」の一文が大切です。AIは、ないことを書いてしまうことがあるからです。

現場メモの書き方(サンプル)

メモは、きれいな文章でなくて大丈夫です。事実だけを、短く並べるのがコツです。

現場メモの例(架空の例です)
・場所:◯◯市、築30年の木造2階建て
・工事:キッチンの入れ替え、床の張り替え
・工期:3週間
・お客様の悩み:キッチンが狭くて、夕食の支度のときに家族とぶつかる
・工夫した点:通路を広げるため、収納の位置を壁側に寄せた
・使った材料:床は、傷がつきにくいタイプのフローリング
・仕上がり:お客様から「動きやすくなった」という言葉をいただいた

このメモをAIに渡すと、「お客様の悩み → 工夫 → 仕上がり」の順に整った文章のたたき台を作ってくれます。その文章を読んで、事実と違うところ、言い過ぎのところを現場の人が直します。

施工事例に入れたい項目チェック

読む人が「自分の家でもお願いできそうか」を判断しやすいよう、次の項目が入っているか確認してください。

項目 例
どんな家・どんな場所か 築年数、構造、地域(番地は書かない)
お客様の悩み 「狭い」「寒い」「古くなった」など
工事の内容 何を、どう変えたか
工夫した点 現場で考えたこと(ここが会社の個性)
工期 何週間かかったか
ビフォー・アフターの写真 同じ角度から撮ったもの
担当者のひとこと 現場を見た人の言葉
お客様の声 許可をいただいたもの

「工夫した点」と「担当者のひとこと」は、AIには書けません。現場にいた人にしか分からないからです。ここを入れると、ほかの会社のページとの違いになります。

写真の説明文と、お客様の声の質問

写真の説明文

写真1枚ごとに、一言の説明を付けると、読む人に伝わりやすくなります。AIに「この写真の説明文を作ってください」と頼むときは、写真の中身を、文字で伝える必要があります。

例
写真の内容:工事前のキッチン。壁側に大きな収納棚があり、通路が狭い。
→ 説明文の例:「工事前のキッチン。収納棚が通路にせり出していました。」

お客様の声の質問リスト

お客様に聞く質問も、AIに案を出してもらえます。たとえば、次のような質問です。

  1. 工事を考えたきっかけは何でしたか?
  2. 会社を選んだ理由を教えてください。
  3. 工事中に、不安だったことはありますか?
  4. 仕上がりで、気に入っているところはどこですか?
  5. これから工事を考えている方に、ひとことお願いします。

質問を決めたら、実際に聞くのは人です。お客様の言葉は、そのままの形で、掲載の許可をいただいてから使います。

検索で見つけてもらうためのポイント

施工事例は、検索から見つけてもらえる可能性のあるページです。タイトルや見出しに、次の2つを入れておくと伝わりやすくなります。

  • 地域名(例:◯◯市)
  • 工事の内容(例:キッチンのリフォーム、外壁塗装 など)

ただし、同じ型の文章を使い回さず、現場ごとの工夫や、お客様の悩みなど、そのページにしかない内容を入れることが大切です。

注意しておきたいこと

  • 金額や工期を載せる場合は、必ず現場の担当者が数字を確認する
  • お客様の許可がない写真・情報は載せない
  • 「最高品質」「業界No.1」など、根拠のない言葉はAIが入れることがあるので、削る

制作会社に渡すときの、ちょっとしたコツ

素材を渡すときに、次の点を気をつけると、制作会社とのやりとりが減ります。

  • 文章と写真は、1つの事例ごとにフォルダにまとめる。 事例ごとにまとまっていると、制作会社が迷いません。
  • 写真は、元のデータで渡す。 小さくしたものだと、ページに載せたときにぼやけることがあります。
  • 「載せてよい情報」「載せてはいけない情報」を、一言添える。 たとえば、「お客様のお名前は載せない」「番地は載せない」などです。
  • 修正があるときは、場所と内容を具体的に書く。 「第2段落の工期を3週間から4週間に」のように伝えると、直す側も迷いません。

電話の対応にも、AIが役に立つ可能性

ご相談を受けている工務店では、問い合わせの電話1件に30分ほどかかることがあります。こちらは、施工事例とは別の使い方になるため、別の記事で取り上げます。

制作会社に頼まず、自社で更新する方法も

今回は、制作会社にホームページの更新を依頼している場合のお話でした。制作会社に頼まずに、自社で更新を行う方法も、今後の記事でお伝えしていきます!

よくある質問

Q. 現場の人は忙しくて、メモを書く時間がありません。

最初は、1件につき5行だけで十分です。場所、工事、工期、お客様の悩み、工夫した点の5つを、スマートフォンのメモに書くだけでも始められます。

Q. AIが書いた文章は、そのまま載せてもよいですか?

そのままは、おすすめしません。工期・金額・材料などの事実は、必ず現場の人が確認してください。AIは、メモにないことを書き足すことがあります。

Q. 他社と同じような文章になりませんか?

AIは、一般的な言い回しを使いがちです。そこで、「工夫した点」と「担当者のひとこと」は、必ず人が書くようにします。そこが、会社の個性になります。

Q. 制作会社に、AIを使っていることを伝えたほうがよいですか?

素材づくりに使っていることは、伝えておくと、やりとりがスムーズになります。「文章のたたき台はAIで作りましたが、事実は確認済みです」と添えるだけで十分です。

まとめ

  • ホームページを制作会社に任せているなら、AIは素材づくりに使う
  • 現場メモ→AIでたたき台→人が確認→制作会社に渡す、の4ステップ
  • 事実(金額・工期・材料)は、必ず人が確認する
  • 地域名と工事内容を入れ、そのページだけの内容にする

自社の場合、どの作業からAIを入れるのがよいか。AnotherWorld株式会社のAI顧問サービスでは、現場の流れをお聞きして、最初の1つを一緒に選びます。

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